なぜ、ここに書いているかというと、このことに関して正確な知識をお持ちの方がもしかしたらこのブログに関心を持ってこの記事を読んでくれているかもしれないと思うからです。
繰り返しになりますが、目前に試験を控えている方はここに書かれていることは無視して、今勉強しているテキストだけを信じて勉強していただければいいと思います。
私がずっと疑問に思い調べ続けているテーマは、「荷為替を取り組んだときの為替手形の受取人は誰か?」ということです。
通常、簿記に関する書籍には3種類の記述が見られます。
- 手形の振出人であるとするもの、つまり、自己受為替手形だというもの
- 銀行であるとするもの
- なにも書かれていないもの
荷為替の取り組みは、国内においてはほとんど行われていないと思います。
『昭和20年代にはかなり利用されていたが、昭和30年中頃にはほとんど見られなくなった。昭和47年の秋、某大銀行で、沖縄方面への商品輸送にあたり、荷為替の取組みを行った事例が2例あった。』(『簿記T』武田隆二著 昭和53年 p.283)
一般に、簿記のテキストに書かれている荷為替の取り組みは国内取引において行われていたものについての記述だと思いますが、詳細に書いてあるものほど、銀行が受取人とされているような気がします。調べていくにしたがって、銀行が受取人であると
確信するにいたりました。
ただ、自己受為替手形だとする記述もたくさんあります。
自己受為替手形だとするメリットは何があるかというと説明しやすいということがあります。私もテキストに自己受為替手形と書かれているときにはそのまま教えていました。目前に受験を控えている人をいたずらに混乱させることは避けたかったからです。
一方、外国との輸出入で用いられる荷為替についてはどうかというと、銀行が受取人であるとされるようです。Web上では次の二つが大変参考になりました。
『Dは手形金受取人(Payee)の欄で、この手形の買取銀行(Negotiating Bank)が記入される。どこの銀行を買取銀行とするかは、買取銀行指定信用状のばあいをのぞいては、輸出者が自由に選定できるが、ふつうは為替の予約を行なった取引銀行を買取銀行とする。この部分に、輸出者名を書くのではないかと錯覚することがあるが、それは間違いである。なぜなら、手形本文の下部にValue received(対価受領ずみ)とあり、振出人である輸出者は、この手形と引換えに取引銀行から輸出代金を受領ずみであるのに対して、買取銀行は手形代金について輸出者に金融をつけてやっていることになるので、その金額を手形の名宛人に請求できる権利があるからである。』
金融大学 外国為替入門講座 第2回 貿易と外国為替
Web上で簿記について書かれているページで、自己受為替手形と書かれているものが非常に多いのですが、詳しくご存知の方にコメントいただけるとたいへんありがたく思います。